人によって捕らえられているアジアゾウは推定130,000頭いると言われています。もちろんゾウたちが野生の中で生きることが理想でしょう。しかし残念なことに、それはゾウたちにとって現実的なオプションとは言えません。

それでは事実を見てみましょう。

私たちが知っていると思っていたゾウ保護に関するあらゆることが誤っています。

ゾウは野生動物であり、決して人に飼われるべきではありません。それでは捕らえられているゾウを野生に返したらいいではないかと言われますが、その方向へは進めない理由が数多く存在しています。

ゾウたちを放ってあげよう、自由にしてあげよう?

実はアジアにはもうゾウたちが生息できるような場所がないのです。タイではゾウの数に対してゾウが自然に生息できる場所は15%未満、仮に今飼われているゾウたちを野生に放ったとしたらゾウたちには生きていける場所がありません。わたしたちは観光客が健全なゾウ施設を選択できるよう教育せねばなりません。

現在3万頭のゾウたちが捕らわれています。大勢の人たちが理解していないことは、観光ゾウが登場したのは、そもそも捕らわれたゾウたちがいるからです。このゾウたちは昔から人に飼われているゾウで、野生に帰すわけにはいかないので、そのゾウたちを養っていく道を探らねばなりません。

ゾウ観光はタイの経済にとって重要な存在でした。結局のところ、合法的にゾウを働かせるとなると、観光業しかないのです。40ー50年前のゾウたちは木材を切り出し、100年前は物資の運搬などの仕事を担ってきました。今はゾウの居場所は観光しかありません。

多くのツーリストたちが、観光ゾウが虐待されていると信じています。健全であると言われているゾウ施設でさえも疑われています。でも全ての観光ゾウたちが虐待されているという概念は、物事を白と黒で分けるような短絡的なストーリーとして露呈しています。「全てのゾウがひどい目にあっている、そんなビジネスに加担するのはごめんだ」と。

でも、それは事実ではありません。

多くのゾウ施設は、働き者のスタッフが大勢いて、良い状態でないゾウたちがいれば、より健全に暮らせるようにと彼らは尽力しています。

飼われている全てのゾウは、簡単な言葉によるコマンドを理解し、獣医の治療も受け入れることができるように訓練しなければなりません。人間の飼育下にあるゾウに訓練を受けさせないことは無責任です。かつて野生ゾウを捕らえていた当時、手厳しいテクニックで飼い慣らされていったものですが、それはゾウが人間との関わりがなかった野生の猛獣であったときのことです。今ではゾウは人に囲まれて育ち、生まれて直ぐに訓練を開始しています。人の考え方も変わってきており、オーナーたちも人道的で倫理的な訓練法を使うことの恩恵を認識しています。

大多数のゾウ施設の職員たちは働きもので、不健康な状態のゾウがいれば、改善させようと努力しています。

フックについて

ゾウは恐ろしいほどに力強い野生動物です。たとえ飼育ゾウであっても、家畜化することは不可能だと考えられています。人々が「ゾウが虐待されている」と考えるときというのは、ゾウ使いが利用する「フック」を見たときではないでしょうか。実はあのフック、ゾウの耳上にかけて(ゾウ使いの手はゾウの耳の上に届きません)、軽く引っ張りながらコマンドの言葉をかける、というのが日常的な利用法です。

  • フックツールは数千年もかけて発達してきたもので、ゾウ使いたちがゾウを導いたり合図を出したりして、ゾウが何をするのか、どこへ行くのかを指示してきました。
  • 緊急的な状況において(たとえばヘリコプターが上空を飛ぶなど)、ゾウにダメージを与えたり傷つけたりすることなく、人とゾウの両方の安全のためにこのツールは利用されます。
  • ゾウ使いたちは、適切な使い方の訓練を受ける必要がありますが、このツールはゾウに罰を与えたり傷つけたりするものではありません。

チェーンについて

チェーンは、捕らわれゾウという意味では一番シンボル的に見られるのではないでしょうか。外国からの訪問者は、自国のゾウたちが動物園の檻や高い塀の中に入れられているにもかかわらず、チェーンでつながれていることを批判します。

もちろん、どのように繋がれているのか、どのくらいの時間つながれているのか注意せねばなりません。しかし、ゾウをチェーンで繋ぐなというのは、残念ながら現実的ではありません。

一定時間ゾウをチェーンで繋ぐことは、ゾウが迷子にならないためにも、人々や彼ら自身の安全のために必要なことです。

  • チェーンはもっともシンプルで安全なツールです。
  • ゾウが他のゾウたちと交流もでき、また一頭で静かにしていることもできるよう、チェーンは適切な長さにすることが重要です。
  • 閉じ込めてしまうのではなく、長いチェーンで繋ぐことで、ゾウたちは新鮮な葉を求めて森の中の一角を動き回ることができます。昼間、持続的に長時間ゾウをつないでおくことはすべきではありません。

ゾウへの虐待

チェーンもフックも、ゾウを傷つける道具でありません。それはその道具を使う人によるのです。
ゾウ虐待には2種類あります。ひとつは体に加える虐待、もうひとつはネグレクト(無視、放置)です。
ゾウを過労させたり、餌を与えなかったりすることが、タイで問題になるゾウに対する虐待です。野生のゾウは14時間から16時間、多いと20時間も食べ続けます。10〜12時間も働いていると、必然的に十分に食事がとれていないということになります。

ゾウにとって一番大切なのは、住処、薬、食べ物、生息環境です。
ゾウは特に自然な生息環境の中にいると幸せです。ゾウにとって消化にいい高品質の食べ物は大量の草です。ゾウの食べ物の80%以上が繊維質であるべきです。バナナを食べることはゾウの健康にはよくありません。
ゾウは毎日、自分の体重の10%にもなる草を食べなければならないのです。その草のほとんどが農民によって育てられているものを購入しています。そして当然ながら、生活の基礎となる設備、小屋、獣医による治療や予防薬なども必要です。そのコストは膨大で、ほとんどのネグレクトは、ゾウとの関係性よりも、こういったことに対応できないことによって起こります。

芸を披露することはゾウに悪いこと?

パフォーマンスは、ボジティブな訓練テクニックによって適切にされたものであれば、ゾウにとって悪いことではありません。多くのゾウは好きな食べ物のご褒美や、ゾウ使いから褒められることで、進んで協力しています。
倫理的にも、きちんと管理されお膳立てされた動物のショーは、動物にとってのエクセサイズであったり、精神的な刺激などの恩恵があるのです。(材木を動かすことで強さを示すことができるし、ボールを蹴ったり絵を書くことでゾウの賢さがわかるでしょう)
後ろ足で歩いたり、まっすぐに座ったり、自転車に乗ったりすることは許すべきではありません。ゾウの健康と身体にとって悪影響があるからです。
ゾウ施設は、それぞれのゾウの個性に適したベストなアクティビティーを見極めるべきです。健康的で、ポジティブな方法でゾウが導かれ訓練を受けているならば、ゾウ施設におけるショーの公開は受け入れられる要素です。

予約

ゾウを過酷な労働から救出し、ゾウや生きものたちが幸せに健全に暮らせる生育環境をめざします。地元山岳民族の若者の教育と地域環境保全も重視した、ゾウにも人にも環境にも優しい施設です。
チェンマイの自然の中で、のびのびと生きるゾウたちとの交流は生涯の思い出になることでしょう。